スキップしてメイン コンテンツに移動

土佐乃国横断遠足、完走できました。

記憶ってのはいい加減なもので、疲労困憊しているときの記憶なんて時系列がしっちゃかめっちゃかになっていて脳の中にフラッシュバックする光景はあるもののそれがどの場所、どの時間の出来事だったかおそろしくあやふやだったりする。さらにそれが断片的だったりするモノだからまるでピースの欠けたジグソーパズルみたいで、まったく一枚の絵として完成する気配がない。だから完走記みたいなのはとてもニガテだ。ちゃんとレースのことを詳細にわたって覚えているひとの脳みそはどんなデキなんだろう。


こんな時に頼りにするのはfacebookやTwitterに投稿したつぶやきや写真、またGPSウォッチで計測されたログデータなどだったりするのだけれど今回に限ってはこれも、ナイ。今回はバッテリーの持ちを気にしてiPhoneをもたずにガラケーを持って走ったし、頼りにしていたSUNNTO AMBIT2はスタート後数時間でなぜだかバッテリー切れになり、ペース、心拍数、積算距離はおろかスタートからの経過時間すら表示されなくなり、ただの重たいだけの時計に成り下がってしまった。

というわけでせっかく土佐乃国横断遠足を完走したというのに、ボクには大会を振り返るためのメモリーがない。もうちょっとした記憶喪失な気分なわけで…。

それでもなんとか思い出せるだけ思い出してみる。
まとまりのない文章で申し訳ない。とにかく思い出せることを書いてみる。

スタート直後からしばらくは3人で共走。ペースはすでにこのときからSUNNTOの表示がおかしくなりはじめ正確なところはわからないけどキロ6分前後くらい。スタート直後は感覚的には心拍数130未満だったが11時過ぎからぐんぐんと気温が上昇してきたのにともなって心拍数もおそらく140前後まで上昇。心拍数を上げすぎて序盤から疲れてしまわないようペースを若干抑えながら走る。土佐乃国横断遠足事務局ブログに掲載されたデータによると奈半利エイド到着は11時51分。ここはトイレだけすませてすぐに走りだした。

50kmあたりで疲れが出てきたけど、ちょうど安芸市の市街地だったので程よいタイミングで信号にかかりひと休みすることができた。この頃になると気温はさらに上がりおそらくアスファルト上の気温は32〜33℃くらいあるかんじ。なによりも脱水が怖かったので水分補給は十分に行った。補給量はほぼ予定通り10kmあたり600ml〜700ml程度。

60kmのヤ・シィパーク到着は15時38分。ここで少し長めの休憩。シューズを脱いでリラックスしながらストレッチ。けっこう水分は摂っていたけれどあまり栄養補給をしてなかったのですこし低血糖気味。でも食欲がなかったのでミニトマトだけいただく。

ヤ・シィパークを出発してから80kmの桂浜まではかなり歩きもはいってつらかった。途中最初のCP1での撮影を経て桂浜エイドに到着したのは18時45分。計画では桂浜まで9時間で走るつもりだったので45分遅れでの到着。ずいぶん歩いてしまったのでしかたない。休憩はたっぷりと30分。ここではじめておにぎりと鰹たたき、と食べ物らしいものを口にする。

ここからCP2を通過し土佐市で100km。やっと5分の2。この80〜100kmの区間は気温も低くなってきたのでとても走りやすかった。ほぼキロ6分ペースで走ったように思う。土佐市についてコンビニでトイレ休憩。ここで事件発生。コンビニトイレでヘッドライトなどの装備品を外していると、洋式便器でポチャッと音が…。ぎょっとしてトイレを見ると腰に挿していたスクイズボトルが飲みくち側から水の中にズッポリとダイブ。しかもそのトイレ、けっこう汚い…。あまりの衝撃にしばし呆然とする。しかしそのままでは埒が明かないので気を取り直してボトルを拾い上げる。どうする?捨てる?使う?これから先140km超の距離を普段やったことのない…ペットボトルを手に持ったままのランで走る気にはなれなかったので洗って使うことを選択。コンビニの手洗いにある手指消毒洗剤でど必死に洗ってみる。きれいになった確信はない。けれど飲むしかない…。

ただあまりのショックに気持ちが萎えて、疲れもあってどうでもよくなりふて寝をする。土佐市役所の駐車場で2時間の仮眠。結果的にはこれが良かった、かもしれない。起きたあとはかなりカラダかなり回復して再び走ることができた。ただ水分補給の方は問題でのどが渇いてもどうしてもスクイズボトルに口をつけることができず、あまり飲まないでいると、とうとう120km須崎付近で脱水がはじまってしまった。

須崎あたりからはかなり歩いた。時間的にも深夜でつらい時間帯。歩くと寒いし、カラダも硬く痛くなってくる。久礼坂にむかう道の手前にあるトンネルの中でとうとう寒さに耐え切れなくて動けなくなってしまう。低体温と低血糖で指先の感覚ゼロ、歯がかみ合わずトンネル内でうずくまる。ヨレヨレになりながらもなんとかトンネルを脱出するも寒さに耐えきれずサポートの車の助手席に避難させてもらって小1時間休憩。その後再スタートしたもののなかなか走ることができず久礼坂到着は翌朝7時2分。久礼坂あたりは記憶があやふやで走ることができたのかベタ歩きだったのか覚えてない。クラインガルテン四万十に到着したのは8時36分。クラインガルテンには先着のランナーさんがいたのでエイド休憩中にパスしてしまうのはなんか気が引けて一緒に休憩することにする。45分ほど休憩して二人で一緒に再スタート。

ここまで150km。自分自身、淡路島を一周したときに走った距離とほぼ同じで過去最長距離。ここからどれだけ走れるかが課題。走り始めてみると最初の5kmほどは体が重たかったものの動かしているうちにほぐれてきて意外と走れそうな印象。長い距離を一気に走ることはできないけど3〜5kmほどならキロ6分で走れる。あるていどまとめて走っては小休憩をとるというパターンを繰り返しながら進む。どうしても体が動かないときは脇道にそれて10分ほど寝るとまた走れるようになる。途中、少し膝周りの筋力が緩んできて痛みが出たりとか、ひどい股ずれに悩まされたりとか、胃のムカつき…そのたとにかくありとあらゆる長距離ランのときに起こる症状が出てきたけれど、とにかく眠くて疲れててどこか夢のようであまり記憶に残ってない。覚えているのは大方から中村に向かうトンネルを越えて最初のコンビニでチョコパンと普段飲んだこともないDAKARAを買って補給したときに一気に吐き気が襲ってきてコンビニの駐車場でうずくまってしばらく動けなくなってしまったことくらい。たぶん20分以上へたり込んでたと思う。その後なんとか気分悪いまま歩きはじめCP3を経由して202km地点のCP4,四万十大橋到着は17時7分。

のこり時間を考えると自分の設定したゴールタイム36時間以内でのゴールはもうむつかしい。つぎの目標として頭のなかにあったのは風呂。風呂は23時までと聞いてたからとにかく23時までにゴールしたい。風呂に入りたい、くつろぎたい、布団にもぐりこみたい、ゆるゆるとしたしあわせだけをあたまに描きそれを想像しながら必死で進んでいく。

思ってたより早く下ノ加江のコンビニに到着できた。思ってたより早く大岐の浜にも到着することができた。けれど以布利の曲がり角あたりで道にまよい心が折れてしまった。無駄な距離を走った徒労感が気力を萎えさせる。集中力もなくなっているから遍路道をみつけることができずなんども間違う。けっこう時間をロスしてしまったので23時の風呂も絶望的になってしまった。疲れ果ててアタマの中が整理できてない状況なのでゴールまでの残り距離も自分に都合よく短く勝手に見積もっていた。そこへスタッフの方から正確な距離を聞いてしまい、さらに絶望に輪をかける。もうムリ。全部歩きでもいい。疲れ果てたときはほんの少し仮眠をとればふたたび走り出せるのはここまで走ってきた経験則でわかっているのだけれど、スタッフの方がゴールをずっと待っていてくれてると思うと寝るのは気が引けてしまってどうしても寝ることができない。結局ゾンビのようなボロボロの姿で屍のように峠の道をズルズルと歩いて進む。

ゴールまであと5kmあたりでボクのココロは完全に折れてしまっていた。242kmの道のりの大半をなんとか乗り越えてきたのに最後の最後になってココロが白旗をあげていた。もう全部歩きでもいい。全部歩いたって1時間もあればきっとゴールできる。別に走ってゴールしなくてもいいじゃん。そんな気弱になったボクを察するように、ゴールで待っていたスタッフの方がわざわざ出迎えに来てくれて横を一緒に歩いてくれた。なんという察しのよさ、気づかいのすばらしさ。おかげでなんとか気持ちを立て直すことができ、最後はヨレヨレになりながらも走って笑顔でゴールすることができた。ゴールは23時30分。38時間30分の長旅だった。

ゴール後のダメージは不思議なほどない。走っている最中は少し膝周りがあやしかった。かかとの骨棘の痛み、土踏まずのアーチの疲れもあった。腰痛も止まるたびに体が伸びないような状態だった。けれどゴール後、爪が死ぬことも、足がむくむことも、ひどい筋肉痛になることもなかった。ただ擦れだけはひどく、とくに尻、股の擦れはかなりひどく火傷を負ったような状態になっている。

いまだに自分が242kmも走ったことが信じられない。長かったようにも思えるし、あっという間に終わった気もする。つらさ、痛さがたくさんあったはずなのにそんな苦しかったことははやくもすっかり忘れてしまった。残っているのは美しい景色と、同じ趣味を持つ楽しい仲間たちの顔、達成感、思う存分好きなことだけに没頭できたほんとうに素敵な時間の思い出だけだ。

1回でいいと思って出場したのにもう来年のことを考えている自分がいる。

このブログの人気の投稿

フォアフットランの練習には厚底シューズがオススメ

今年の故障の始まりはminimusでフォアフットをはじめたことだった。

今年の前半チャレンジ富士五湖までは大きな故障なく順調に走ることができていた。チャレンジ富士五湖完走後、次の課題としてスピードアップに取り組もうと考えた。

買ったのはニューバランスのminimusMR00。かかとにほとんどクッションのないこのシューズを使えば必然的に前足部だけを用いて走るようになり自然とフォアフットランが身につく…はずだった。

ミニベロが遅いなんて誰が言った!快適で最高な通勤自転車Bruno Minivelo 20 Road

諸事情があって通勤用のミニベロを購入しました。えぇ、たまたまタイミング的に購入事案が続いてしまっただけで宝くじが当たったわけではありません。

[徳島]本格派マフィンならココで決まり! 川内町のMUFFIN&SWEETS CIRU

あいかわらずドーナツをバクバク食べてるのですが今日はドーナツのお話じゃありません。マフィン!です。川内町にあるCIRUさんをご紹介。

マフィンってカップケーキとパウンドケーキあたりとの違いもよくわからないし、ケーキやドーナツみたいにひとつのジャンルとして確立していないイメージがあります。マフィン専門のお店ってあんまりないじゃないですか。